逓信省型式試験合格受信機写真
Radio set Passed Examination by The Ministry of Posts and
Telecommunications
第289号 ナナオラ 5R-71型 5球スーパー 七欧無線電気(株) 1950-51年 10,000円
No.289 Nanaola Model 5R-71 , 5 tubes Superheterodyne, Nanao Radio Co., Ltd. (1950-51) JPY10,000
TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3-42-80BK, 6.5" Permanent dynamic Speaker
ナナオラの比較的コンパクトな5球スーパー。型式試験は、5R-70A型で1949年に受けている(厳密には電波庁型式試験というべきであるが)。5R-71への変更は、受信周波数帯変更のためと思われる。本機の受信周波数帯は535-1680kcである。戦前よく見られた側面から調整する大型のIFTを使用しているのが特徴。キャビネット天井裏側にアンテナとなる鉄板が取り付けられている。雑誌に紹介されているセットはスピーカがシャーシ側に取り付けられているが、所蔵品はキャビネット側に変更されている。
(Collection No.11370)
この機種は、1952年頃には、メーカーの倒産、分裂により分離した「ナナオ無線」に移行し、キャビネットの表示をNanaoに変更して1953年まで販売された。
ナナオ NS 5R-71型 5球スーパー ナナオ無線(株) 1952-53年
倒産後、分裂した会社に引き継がれたセット。デザインは基本的に同じだが、社名のロゴが変更されていることがわかる。また、シャーシは大幅に小型化され。このためにスピーカとトランスの位置が入れ替えられている。従来はピックアップの切り替えがショートバーの切り替えによっていたのがスイッチになっているのは改善点だが、この変更はコストダウンを狙ったものと思われる。
(Collection No. 11A030)
モデル末期に5R-71A型に変更されたようだが詳細は不明である。ラジオの型式試験はこの機種で最後となった。
Nanao Radio was one of the leading companies of Japanese radio industry
from pre war. This was their popular model. Original model 5R-70A was passed
at 1949. This 5R-71 was changed receiving band from 550-1500kc to 535-1680kc.
In 1952, Nanao Radio was separated 2 companies by internal discord. New
company Nanao Musen took over this model from continued Nanao Radio. Brand
name was changed from Nanaola into Nanao and added suffix “-A”. Model 5R-71A
was sold until 1953.
掲載誌 ラジオ技術 1950.4
Appeared on Radio Gijyutu (Radio-Craft Monthly) magazine 04/1950 published by Kagaku-sha