逓信省型式試験合格受信機
Radio set Passed Examination by The Ministry of Posts and Telecommunications
第29/210号 ダイヤトーン 47-D型 5球スーパー 三菱電機(株) 1947-48年 7,950円, (1949年 9,800円)
No.29/210 Diatone Model 47-D 5 Tubes Super Heterodyne Mitsubishi Electric Co., Ltd. 1947-49 JPY 7,950, 1948 (JPY 9,800, 1949)
Name Plate 取扱説明書表紙/Instruction Manual 広告(電波科学'48.7裏表紙)/Advertisement
TUBES: 6A7-6D6-6ZDH3-42-80 (No.29), Electro-dynamic Speaker
TUBES: 6WC5-6D6-6ZDH3-42-80 (No.210)
三菱電機が戦後スピーカの生産を通してラジオ産業に参入して最初に発表したスーパー受信機。財閥解体の影響か、ブランドに「Mitsubishi」を使わず、後にスピーカのブランドとして有名になる「ダイヤトーン(Diatone)」を採用した。説明書に記載を見ると、初期には「ダイアトーン」と呼んでいたことがわかる。この時代のラジオの例にもれず、多くの改良がおこなわれている。同社は後にパーマネント・ダイナミック・スピーカP-62F型で有名になるが、この機種が開発されたころには、完成していない。この機種では最初のフィールド型ダイナミック・スピーカD-60型を採用している。設計当初は検波管が6B7であったが、すぐに6Z-DH3に変更された。
本機は、逓信省型式試験が実施される直前の製品だが、初期型とは銘板の取付位置や材質、後部の換気口の有無など、細部が異なる。デザイン面では、初期型が、"DIATONE"の文字が黄色、ダイヤル目盛が白色であったのに対し、本機では逆になっている。
1948年に型式試験合格番号29を得た後、1948年末にコンバータ管を6WC5に変更して試験を受けなおし、No.210となり、その後1949年1月31日まで製造された。この程度の変更では他社では別番号をとることはなく、変更申請で済ませている。同社らしい律儀な対応である。
Model 47-D was the first model of Diatone radio manufactured by Mitsubishi
Electric Co., Diatone became famous brand of Hi-Fi speaker. Mitsubishi
modified the converter tube from 6A7 into 6WC5 at late 1948. Then they
passed examination again and the new passed number 210 was given. Model
47-D was discontinued production at 31/01/1949.
本機はツマミが1個失われている以外はオリジナルを良く保っている。
掲載誌:電波科学 1948.7
Appeared on The Denpa Kagaku (Radio Technic & Science) 07/1948 published
by Nippon Housou Shuppan Kyokai
(Collection No.11274: No.6447, 1948.6 / 11A024: No. unknown, 1947.7 / 11A051: No.12226, 1949.5)