逓信省型式試験合格受信機
第248号 テン ”スーパースター” DR-1S5B/C/D型 普及型5球スーパー 神戸工業(株) 1949-50年(1949年4月22日合格)
DR-1S5B型
DR-1S5B型の銘板
DR-1S5C/D型
銘板が「DR-1S5C」、底板の回路図には「DR-1S5D」となっている。
TUBES(DR-1S5B): 6WC5-6D6-6ZDH3A-42-80, 6.5" Permanent Dynamic Speaker
(TEN VOX D-6A)
TUBES(DR-1S5C/D): 6WC5-6D6-6ZDH3/A-42-80
このセットは平凡で古臭かった第34号、DR-1S5型を大幅にモデルチェンジしたものである。キャビネットは小型化され、デザインはプラスチックダイヤルを採用した現代的なデザインに変更され、1949年にDR-1S5B型が試験合格第248号となった。この時、スピーカがフィールド型からパーマネント型に変更された。
軍需産業から参入した川西機械製作所は1949年に財閥解体により解散し、神戸工業(株)が設立された。1950年にはシャーシはそのままでキャビネットが角ばったデザインに変更され、DR-1S5C型となった。このため、B型の銘板は「川西機械製作所」だが、C/D型では「神戸工業(株)」になっている。ツマミを小さくすることで、このシャーシはツマミが付いたダイヤルごと引き出すことができる。C型とD型の違いはほとんどなく、真空管が6ZDH3か、6ZDH3Aかの違いのようである。回路図ではどちらでもよいように記述されており、大きな違いは無いようである。
神戸工業(株)は1968年に富士通(株)と合併し、1972年に富士通からラジオ部門が分離、独立し富士通テン(株)としてカーオーディオなどを生産してきたが、2017年に資本構成の変化により(株)デンソーテンとなった。
掲載誌:ラジオ技術1950.11
(所蔵No.11770, 11A249)