放送協会認定受信機
Approved Radio by Nippon Housou Kyokai

放11133号 ヘルメス KS-6型 6球スーパー受信機 大阪無線(株) (1943.3.31認定) 公定価格 225.50円(認定時は171.80円)

Approved No.11133 Hermes Model KS-6 6 Tubes Superheterodyne  The Osaka Musen Co., Ltd. Approved at 31/3/1943
Official Price JPY 225.50

 



 
後期型のキャビネット内のラベル(左:11A370)と初期型の裏蓋上の銘板(右:11705)

TUBES: 58-2A7-58-2A6-2A5-80 , 6.5" Electro Dynamic Speaker (Hermes PD-190)

高級品で知られるヘルメスの高一付6球スーパー受信機。戦時中に発売された機種で、この時代には公定価格一覧で指定された規格品の構成しか基本的に認められなかった。戦時中のラジオらしく、高級受信機でありながら、ピックアップ端子はない。特にスーパー受信機は配給の対象が放送協会認定品に限られたため、主に公的機関向けの需要のために、従来対象とされなかったスーパー受信機に認定が与えられた。この受信機が戦前、戦中最後の認定品である。回路図に認定後の日付が捺印されているが、本体には認定標章がない。

本機のダイヤルのカバーは失われている。キャビネットの底には、「ラヂオ許可 昭和22年8月13日 519603号」の張り紙がある。また、判読は難しいが、キャビネットの底に捺印された所有者の名前と、裏蓋に書かれた修理の時の所有者の名前が異なっていることがわかる。戦後、所有者が変わったと思われる。戦後2A7 58 57 56 2A5 80の、高周波増幅なしのスーパーに改造されている。入手困難な2A6の代わりに57によるプレート検波と56による低周波増幅としたと思われる。形状はオリジナルと同じだが、IFTもコイルごと交換されている。出力管と整流管の位置が、シャーシの表示と逆になっている。現状のほうが自然なレイアウトだが、メーカによる改良か、改造によるものかは不明である。

(Collection No.11705 / 11A370)

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